2024年03月17日
スズキDT5フルオーバーホール
はいこんにちは
春間近、シーズン開幕が近づいてきてリールメンテも船外機メンテもボチボチ忙しいですわ
今回のメンテナンスは、地元養老町在住Kさまからのご依頼
メルカリでご購入されたスズキDT5(DT502)の初期フルメンテナンス
では、早速行ってみましょい
今回は、船外機のボルト固着防止処理(全てのボルト類のグリス通し)と摺動部のグリス入れ替え、
あとは、不具合が無いか一通り点検
これ、スズキからリリースされた最後の2st2気筒5馬力エンジン
年式までは見てませんが、恐らく今から25年位前の船外機になります。
ですが、25年前の船外機とは思えない程キレイな船外機ですね
25年も経過しとると見た目では分からない劣化があるので、バッチリメンテしていきましょう
先ずは、ステアリングがどうにも重たいので、全バラ&グリスの入れ替え
グリスはあるけどカチカチやねん
正直、とっても面倒くさくて地味な仕事だけど・・・
全部バラシて組みなおしましょ
ステアリングが動くようになったらお次はエンジンね
コロンと外して
極めてキレイで、ほぼ淡水使用のようですが海水使用歴もありますな
DT5(DT502)エンジンは、DT8(8馬力エンジン)シリンダーブロック、ピストン、ヘッドがベースとなってて
8馬力エンジンを強制的に馬力ダウンさせてあるんだよね~
と言う事は、アソコをチョチョイとアレすると5馬力キャブのままでもかなりの馬力UPが可能なXXX
5馬力のエンジン、わざとデ・チューンしてあるため、エンジン自体の痛みが非常に少ない(ピストンの首振り等)
ため、8馬力エンジンよりある意味程度は良いんだよね~
一応補足で説明しておきますが、スズキDTシリーズのガスケット類は、全て終売となっておりますので、
スズキの正規マリーンサービスでの修理は不可となっております。
何も知らずに購入されると、メンテナンス不可なんてオチが待っとります
当ファクトリー、DT5,6,8のガスケットのカットデータを保存しておりますので、終売機ですが
ず~っとメンテナンス可能です
エンジンの汚れもキレイに除去してバッチリ
お次はギヤ・インペラ周り
ギヤオイル白濁なし
シャーピン曲がり少々
塩噛みはしてたけど、まだ大丈夫
ケース内もキレイなもんやね
お次はインペラ周り
ケースがスチール製なので錆びがドライブシャフトに・・・
キレイに除去しときます
インペラは
ピクトグラムの人間みたいにバンザイしとるので交換
こういったガスケットも交換しときまそ
キレイにタール&カーボン落として
エンジン戻しまして、燃料ホース類も全部新品に交換です
オーバーホール完了です
エンジン絶好調
試運転動画上げてみました
ご利用、ありがとうございました。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。
船外機メンテナンスのご相談はコチラまで
春間近、シーズン開幕が近づいてきてリールメンテも船外機メンテもボチボチ忙しいですわ
今回のメンテナンスは、地元養老町在住Kさまからのご依頼
メルカリでご購入されたスズキDT5(DT502)の初期フルメンテナンス
では、早速行ってみましょい
今回は、船外機のボルト固着防止処理(全てのボルト類のグリス通し)と摺動部のグリス入れ替え、
あとは、不具合が無いか一通り点検
これ、スズキからリリースされた最後の2st2気筒5馬力エンジン
年式までは見てませんが、恐らく今から25年位前の船外機になります。
ですが、25年前の船外機とは思えない程キレイな船外機ですね
25年も経過しとると見た目では分からない劣化があるので、バッチリメンテしていきましょう
先ずは、ステアリングがどうにも重たいので、全バラ&グリスの入れ替え
グリスはあるけどカチカチやねん
正直、とっても面倒くさくて地味な仕事だけど・・・
全部バラシて組みなおしましょ
ステアリングが動くようになったらお次はエンジンね
コロンと外して
極めてキレイで、ほぼ淡水使用のようですが海水使用歴もありますな
DT5(DT502)エンジンは、DT8(8馬力エンジン)シリンダーブロック、ピストン、ヘッドがベースとなってて
8馬力エンジンを強制的に馬力ダウンさせてあるんだよね~
と言う事は、アソコをチョチョイとアレすると5馬力キャブのままでもかなりの馬力UPが可能なXXX
5馬力のエンジン、わざとデ・チューンしてあるため、エンジン自体の痛みが非常に少ない(ピストンの首振り等)
ため、8馬力エンジンよりある意味程度は良いんだよね~
一応補足で説明しておきますが、スズキDTシリーズのガスケット類は、全て終売となっておりますので、
スズキの正規マリーンサービスでの修理は不可となっております。
何も知らずに購入されると、メンテナンス不可なんてオチが待っとります
当ファクトリー、DT5,6,8のガスケットのカットデータを保存しておりますので、終売機ですが
ず~っとメンテナンス可能です
エンジンの汚れもキレイに除去してバッチリ
お次はギヤ・インペラ周り
ギヤオイル白濁なし
シャーピン曲がり少々
塩噛みはしてたけど、まだ大丈夫
ケース内もキレイなもんやね
お次はインペラ周り
ケースがスチール製なので錆びがドライブシャフトに・・・
キレイに除去しときます
インペラは
ピクトグラムの人間みたいにバンザイしとるので交換
こういったガスケットも交換しときまそ
キレイにタール&カーボン落として
エンジン戻しまして、燃料ホース類も全部新品に交換です
オーバーホール完了です
エンジン絶好調
試運転動画上げてみました
ご利用、ありがとうございました。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。
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2024年01月28日
マーキュリー シープロ9.8エンジンブロック再生
ついこの前お正月やったハズなのに、もう1月も終わりや
ここん所、非常に多忙でブログの更新が疎かになっとりまして
何が忙しいって
そりゃぁもう船外機の修理ばっかりですわな
昨年Nstyle Factory開始してから、徐々にお問い合わせが増えて修理が途切れなく続いとるっちゅ~事
今回のネタは、その中でも非常に手間の掛かった修理事例
それでは修理劇場開幕~
今回の依頼者は県内在住、釣り友のkazuさんがネットオークションで入手したマーキュリーシープロ9.8(3K9)
非常に大切に使われていたという超美品の極上機との事で、ちょっと高めの金額で入手したらしい
シープロ9.8のエンジン、シリンダーヘッドのガスケットが非常に弱く、つい最近(ココ3年)までの製造品は、
ほぼ100%シリンダーヘッドボルトへの浸水が認められます
ヘッドボルトに浸水があるとどうなるかと言いますと・・・海水の場合は塩噛み、淡水の場合でもボルトの腐食が促進され、
ヘッドボルトが固着してしまい、ヘッドボルトを緩める時にボルトがポキンと折れてしまうんです
その事はkazuさんも良く心得ていて、今のうちにボルトへの浸水防止処理を行おうとヘッドボルトを
外してメンテナンスしようとしたワケ
極上品なので、問題なく外せると思って作業開始したのは良いけど・・・
結果は11本のヘッドボルト中、5本が折れてしまうという予想外の展開
そして、その折れボルトの除去をご自身で行った所、見事に失敗
ってなワケで、ワタシん所へやってきました
それが11月初旬の事
kazuさんの初めのご依頼は、エンジンブロック丸ごと新品交換
kazuさん、折角の極美品なのにボルトが5本も折れて結構ショックやったらしい(笑)
まぁ最悪ブロック交換すれば良いから、先ずはワタシに任せてちょ~だいと言う事でお任せ修理入院
今回はエンジン単体のみの入院です
先ずは患者さん(エンジン)の補器類を取っ払い
エンジン割ってクランクシャフト出したけど、ホントにキレイな機やね
なのにヘッドボルトは折れちゃうのよ
シリンダーブロックだけに
ドリルのキリが走ったらしく、ネジ穴がチョイとデカくズレとったりしとります
先ずは折れボルトの残骸を全て除去しまして
マーカー打ってある箇所が逝ってしまったネジ穴
普通のネジ穴だったらヘリサートって方法をとれば良いんやろうけど、何せ直ぐ際をウオータージャケットが
通ってるエンジンヘッドにヘリサートをぶち込むってのはちょっと・・・ってなワケで、エンジンブロック自体
再生させる事に決定
アルミ溶接のプロに相談し、ネジ穴周辺をザックリ切除
これ、マジで大丈夫なんか
極上品のエンジンにこんな大胆なメスを入れるの、ホントにビビったわ
で、こんな感じにモッコリ再生
実は、エンジン下側のドライブシャフトのボルトもワタシが折ってしまったので、こちらも再生
モッコリ肉盛りしてもらった所をザックリ面取り
面研して平面出しまっしょ
熱膨張した箇所も手作業で修正して
現物合わせで位置確認
合わせ面チェック
穴位置決めてと
穴あけ開始~
ホイ完成
お次はタップ切り
これでネジ山再生完成
現物フィッティングバッチリOK
同様の作業を6か所やって、全てのホール再生成功
全部出来たところで、シリンダーブロックとシリンダーヘッドのフィッティング確認
バッチリフィッティングOK
この状態で規定トルク掛けて締め付けてみたけどバッチリ
もうココまできたら難関は突破やね
さて、ここからは組み立てに入るワケなんやけど、ちょっとその前に
引き取ってきた時の写真がコレ
極美機やったけどエンジンの塗装が腐食で剥がれてみっともないやん
折角ここまで再生させたから、アルミ剥き出しのエンジンやと腐食が心配なので
2液ウレタンブラックで再塗装
シリンダーブロックとシリンダーヘッドピッカピカ
ピストン自体すごくキレイやったけど、大切にし過ぎ?エンジン労わり過ぎ?
低回転ばかり使ってたのかな
ピストンにカーボンが厚盛りやったから、キレイにカーボン除去
シリンダーにセット
合体
塩ガミ対策ガスケット&新品のサーモスタット入れて
エンジンこんぷりーと
ウレタン塗装したから、ピッカピカの新品みたいね
もし中古機として売りに出しても、まさかこんな大胆な手術を施されてたとは気づくまい
さて、ココから船外機組み立て編
リコイルスターターのこんな部位にも塩噛みがあったので除去
海で使用している船外機は、思っている以上に海水による塩害がアチコチあるね
シフトロッドのコネクタも
スナップピン抜いて
ピッカピカ研磨
ドライブシャフトハウジングも塩取りクリーニング
お次はシープロのシフトロッド
シープロのシフトロッド、かなり塩噛みする部位なのよ
定期的に塩噛みメンテしてないと、思わぬ高額修理になる恐れがある部位やね
バッチリクリーニング
もう1か所、塩害の影響がある所それはエキゾースト
まぁ外さないという選択も出来るけど、ワタシがそれを許しません
で、見事に4本中3本折れた
エキゾーストもキレイに塩落として
折れボルト抜き取って再生
この機会にロアカウルもジャブジャブ洗って
kazuさん、エンジン外すのに結構コツイたね
キレイに洗ったロアカウル、ボルトにグリス塗布しながら組付けていきます
当ファクトリー入庫機は、スロットルケーブルに識別ペイントを施します
全部組付けて完成~
1月某日、苦節3ヵ月、ようやく引き渡し
奥の車は中古船外機のメンテ相談にお越しいただいたkdさま
今日はkazuさんnewジムニーで奥様同伴でお越しいただきました
何でも、ヨーローサイダーを調達に来たとか
先ずは実機を確認いただいて
オーナーさま自ら、厳しい視点で各部確認
最終検査合格にて無事お引き取りと相成りましたとさ
何でもkazuさん、この後長良川に持ち込んで更に厳しい負荷試験を実施して性能確認したとか
一応、そちらの耐久試験も無事通過しましたとさ
今回の修理については採算度外視の修理につき、同様の修理を必ず実現・実施出来ると言う事ではありません事、
事前に補足させていただきます。
いや~こんな修理は二度とやりたくないね(笑)
最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。
船外機メンテナンスのご相談はコチラまでk
ここん所、非常に多忙でブログの更新が疎かになっとりまして
何が忙しいって
そりゃぁもう船外機の修理ばっかりですわな
昨年Nstyle Factory開始してから、徐々にお問い合わせが増えて修理が途切れなく続いとるっちゅ~事
今回のネタは、その中でも非常に手間の掛かった修理事例
それでは修理劇場開幕~
今回の依頼者は県内在住、釣り友のkazuさんがネットオークションで入手したマーキュリーシープロ9.8(3K9)
非常に大切に使われていたという超美品の極上機との事で、ちょっと高めの金額で入手したらしい
シープロ9.8のエンジン、シリンダーヘッドのガスケットが非常に弱く、つい最近(ココ3年)までの製造品は、
ほぼ100%シリンダーヘッドボルトへの浸水が認められます
ヘッドボルトに浸水があるとどうなるかと言いますと・・・海水の場合は塩噛み、淡水の場合でもボルトの腐食が促進され、
ヘッドボルトが固着してしまい、ヘッドボルトを緩める時にボルトがポキンと折れてしまうんです
その事はkazuさんも良く心得ていて、今のうちにボルトへの浸水防止処理を行おうとヘッドボルトを
外してメンテナンスしようとしたワケ
極上品なので、問題なく外せると思って作業開始したのは良いけど・・・
結果は11本のヘッドボルト中、5本が折れてしまうという予想外の展開
そして、その折れボルトの除去をご自身で行った所、見事に失敗
ってなワケで、ワタシん所へやってきました
それが11月初旬の事
kazuさんの初めのご依頼は、エンジンブロック丸ごと新品交換
kazuさん、折角の極美品なのにボルトが5本も折れて結構ショックやったらしい(笑)
まぁ最悪ブロック交換すれば良いから、先ずはワタシに任せてちょ~だいと言う事でお任せ修理入院
今回はエンジン単体のみの入院です
先ずは患者さん(エンジン)の補器類を取っ払い
エンジン割ってクランクシャフト出したけど、ホントにキレイな機やね
なのにヘッドボルトは折れちゃうのよ
シリンダーブロックだけに
ドリルのキリが走ったらしく、ネジ穴がチョイとデカくズレとったりしとります
先ずは折れボルトの残骸を全て除去しまして
マーカー打ってある箇所が逝ってしまったネジ穴
普通のネジ穴だったらヘリサートって方法をとれば良いんやろうけど、何せ直ぐ際をウオータージャケットが
通ってるエンジンヘッドにヘリサートをぶち込むってのはちょっと・・・ってなワケで、エンジンブロック自体
再生させる事に決定
アルミ溶接のプロに相談し、ネジ穴周辺をザックリ切除
これ、マジで大丈夫なんか
極上品のエンジンにこんな大胆なメスを入れるの、ホントにビビったわ
で、こんな感じにモッコリ再生
実は、エンジン下側のドライブシャフトのボルトもワタシが折ってしまったので、こちらも再生
モッコリ肉盛りしてもらった所をザックリ面取り
面研して平面出しまっしょ
熱膨張した箇所も手作業で修正して
現物合わせで位置確認
合わせ面チェック
穴位置決めてと
穴あけ開始~
ホイ完成
お次はタップ切り
これでネジ山再生完成
現物フィッティングバッチリOK
同様の作業を6か所やって、全てのホール再生成功
全部出来たところで、シリンダーブロックとシリンダーヘッドのフィッティング確認
バッチリフィッティングOK
この状態で規定トルク掛けて締め付けてみたけどバッチリ
もうココまできたら難関は突破やね
さて、ここからは組み立てに入るワケなんやけど、ちょっとその前に
引き取ってきた時の写真がコレ
極美機やったけどエンジンの塗装が腐食で剥がれてみっともないやん
折角ここまで再生させたから、アルミ剥き出しのエンジンやと腐食が心配なので
2液ウレタンブラックで再塗装
シリンダーブロックとシリンダーヘッドピッカピカ
ピストン自体すごくキレイやったけど、大切にし過ぎ?エンジン労わり過ぎ?
低回転ばかり使ってたのかな
ピストンにカーボンが厚盛りやったから、キレイにカーボン除去
シリンダーにセット
合体
塩ガミ対策ガスケット&新品のサーモスタット入れて
エンジンこんぷりーと
ウレタン塗装したから、ピッカピカの新品みたいね
もし中古機として売りに出しても、まさかこんな大胆な手術を施されてたとは気づくまい
さて、ココから船外機組み立て編
リコイルスターターのこんな部位にも塩噛みがあったので除去
海で使用している船外機は、思っている以上に海水による塩害がアチコチあるね
シフトロッドのコネクタも
スナップピン抜いて
ピッカピカ研磨
ドライブシャフトハウジングも塩取りクリーニング
お次はシープロのシフトロッド
シープロのシフトロッド、かなり塩噛みする部位なのよ
定期的に塩噛みメンテしてないと、思わぬ高額修理になる恐れがある部位やね
バッチリクリーニング
もう1か所、塩害の影響がある所それはエキゾースト
まぁ外さないという選択も出来るけど、ワタシがそれを許しません
で、見事に4本中3本折れた
エキゾーストもキレイに塩落として
折れボルト抜き取って再生
この機会にロアカウルもジャブジャブ洗って
kazuさん、エンジン外すのに結構コツイたね
キレイに洗ったロアカウル、ボルトにグリス塗布しながら組付けていきます
当ファクトリー入庫機は、スロットルケーブルに識別ペイントを施します
全部組付けて完成~
1月某日、苦節3ヵ月、ようやく引き渡し
奥の車は中古船外機のメンテ相談にお越しいただいたkdさま
今日はkazuさんnewジムニーで奥様同伴でお越しいただきました
何でも、ヨーローサイダーを調達に来たとか
先ずは実機を確認いただいて
オーナーさま自ら、厳しい視点で各部確認
最終検査合格にて無事お引き取りと相成りましたとさ
何でもkazuさん、この後長良川に持ち込んで更に厳しい負荷試験を実施して性能確認したとか
一応、そちらの耐久試験も無事通過しましたとさ
今回の修理については採算度外視の修理につき、同様の修理を必ず実現・実施出来ると言う事ではありません事、
事前に補足させていただきます。
いや~こんな修理は二度とやりたくないね(笑)
最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。
船外機メンテナンスのご相談はコチラまでk